ヒラメ型上司という言葉はご存知でしょうか。ヒラメは目が上についているので
上のことばかりが見えます。会社でも、ヒラメ型上司という人がいると思います。
上のことばかり気になって、部下のことはどうでもいいと考えている人のことです。
上層部の受けがよくなることだけを考えて、部下には過大な要求を押し付けてきます。
大きな目標を部下に与えればそれなりの実績になると浅はかな考えの人です。
しかし、達成不可能な過大な目標は形骸化して無意味なものとなるでしょう。
出来ないわけですから、みんなのモチベーションも下がり見向きもされなくなります。
上司が定める目標数値は、現実的でなければなりません。
上司「今年は、前年比目標50%アップを目標に仕事すること。期待してる。」
部下「部長。お言葉ですが、今年は競合も増え価格競争になっていますので、前年80%も
いけばよろしいかと。もはや、バージョンアップでもしないかぎり、うちの製品は
下降線をたどる一方なんです。すでに、商品のライフサイクルが尽きかけているんですよ。」
上司「なんだと。それじゃ、前年比マイナスになるじゃないか。上になんて説明すればいいんだ。」
部下「しかし、他社も目標数値をどんどん下げていますし飽和状態なんですよ。」
上司「そこをなんとかできないのか。せめて前年比100%にならないのか。」
部下「無理ですね。前年比80%だって厳しい数字なんですよ。」
上司「では、前年90%にはできないだろうか。」
部下「厳しいですね。90%なんて、届きそうにないです。」
上司「きみねぇ。役員に数値を持っていく私の身にもなってくれよ。」
部下「じゃあ、85%でいかがです?達成は難しいですが目標としてはいいと思います。」
上司「分かった。じゃあ、前年比85%で予算を組んでみよう。」
ポイントは、最初に80%という数字をドンと出すことです。それを出せば船のアンカー
のようになり、そこからの狭い範囲での交渉になるわけです。
【アンカーリング効果】
値引き交渉では、大きな威力を発揮しますよ。